【2020年版】東京都 今年の花粉症情報
花粉症とは何?
花粉症とは、鼻粘膜のⅠ型アレルギー疾患で、原則的には、くしゃみ、鼻みず、鼻づまりを3主徴とし、その中でスギやヒノキなどの花粉によって起こる季節性アレルギー鼻炎を花粉症と呼びます。
症状が現れる時期によって、「通年性」と「季節性」に分けられ、代表的な季節性のアレルギー性鼻炎として「花粉症」が挙げられます。
また、通年性ではダニ、ハウスダストやペットなどが原因となることがあります。
どうして花粉症になるの?原因は?
詳しく書きますと、花粉などの異物(抗原)が体内に入ると、それに結合するIgE抗体という、免疫たんぱく質が作られます(感作)。
の感作された状態で再び原因物質が体の中に入り込むと、皮膚や粘膜などにある、免疫反応に関与するマスト細胞についているIgE抗体と結びつき、その刺激でマスト細胞からヒスタミンなどの化学物質が放出され、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみなどの様々なアレルギー症状を誘発します。
どのような痛みがあるの?(頭痛・発熱・のど・吐き気等について)
鼻づまりがあることで、夜間、口を開けて寝ることで、喉が乾燥して、朝起きた際にのどの痛みを訴えることがあります。
花粉症の流行の傾向と時期、ピークはいつ頃?
飛散開始日の予測は、2月14日から18日ごろとされ、例年(過去10年平均)並みとなる見込みです。
※ 2月上旬に春一番(南風)が吹いたりした場合には、飛散開始日は予測よりも早まる可能性あり。
都内(12地点)では例年(過去10年平均)の6割、昨春の6割程度となる見込みです。
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2020/01/16/09.html
対策・予防はできる?(ヨーグルト・マスク・酢などに効果はあるのか)
スギ花粉の回避は、具体的には
- 花粉情報に注意する
- 飛散の多い時の外出を控える。外出時にマスク、眼鏡をつかう。
- 表面がけばだった毛織物などのコートの使用は避ける
- 帰宅時、衣服や髪をよく払って入室する。洗顔、うがいをし、鼻をかむ。
- 飛散の多い時は窓、戸を閉めておく。換気時の窓は小さく開け、短時間にとどめる。
- 飛散の多い時のふとんや洗濯物の外干しは避ける。
- 掃除を励行する。特に窓際を念入りに掃除する。
最近は、お茶、乳酸菌、いわゆるサプリメントなどにも花粉症の症状の緩和作用が指摘されています。
盲検試験でも効果が認められた報告もありますが、その結果はわずかですし、有用性の確認にはまだまだ検討の積み重ねが必要です。
花粉の飛散シーズンに外出する場合は、マスクやメガネを着用し、花粉が目や鼻などに付かないよう注意しましょう。帽子をかぶることも効果があります。
メガネ・マスク 花粉が目や鼻につかないように注意しましょう。
帽子 頭髪全体を覆える形状にしましょう。スカーフで代用してもかまいません。髪が長い場合は、束ねるなど、頭髪に花粉がつかないように工夫しましょう。 花粉がつきにくい繊維の服 花粉がつきにくく払い落としやすい繊維のものを選びましょう。 家に入るとき 帰宅時は、洋服や髪の毛に付いた花粉をよく払い落としてから家の中に入り、うがい・手洗い・洗顔をしましょう。
東京の花粉症
なぜ東京に花粉症患者は多いの?
東京には、排気ガスなどで大気汚染物質が多く含まれていて、花粉がそれらを吸着することで、アレルギー反応を起こしやすくなるといわれていたり、また、アスファルトが多く、地面に花粉が吸収されず、再び舞い上がるなどの要因が起こるといわています。
東京の花粉症の傾向と対策
花粉症は、国民病とも言われるほど、多くの都民、国民を悩ませています。
平成28年度に都が実施した調査では、都内のスギ花粉症の推定有病率は、48.8%と推計されています。 症状が出たら、速やかな診療をおすすめいたします。
クリニックにかかるメリット
クリニックにかかるメリット・デメリット
花粉症の時期は、耳鼻科は混雑しており、薬だけほしい方にはつらいかもしれません。
例年、市販の内服薬では症状がコントロールできない際は、市販薬にはない内服薬や点鼻薬を使用して改善する可能性もあります。
また、鼻水が長く続く場合、花粉症だけでなく、蓄膿症(副鼻腔炎)や通年性のアレルギー性鼻炎のことがあります。蓄膿症では手術が必要な状態の方もいるので耳鼻科で鼻の中をチェックしてもらいましょう。
また、鼻水をすすってしますことで、耳に炎症が広がり、中耳炎の引き金になることや、鼻水が喉の奥にたまることで咳の原因になります。
特にお子さんには、その傾向があり、お子さんは自覚症状をうまく表現できないために悪化してやっと受診することがあります。
ですので、早めに耳鼻科を受診され、耳や鼻の状態をチェックすることが重要です。
いつ頃の来院がお勧めですか?
例年症状がでている人は、花粉の飛散がピークになって症状が増悪してからの受診ではなく、花粉の飛散が開始する2月上旬より前に受診して、薬物療法を開始することをお勧めします。
また、今まで花粉症でない方も、花粉の飛散シーズンに、眼のかゆみやくしゃみ、鼻水など花粉症の疑われる症状が出たら、まず耳鼻科を受診して、花粉症であるか診察しましょう。
自分で花粉症だと思っても、別の病気である場合や、アレルギー症状であっても、花粉ではなくハウスダストなどの別の物質が原因の可能性もあります。
検査をしてから、治療や予防の計画を立てるとよいでしょう。